1. 不登校生徒の現状
学校に通いたくても通えない不登校の生徒は年々増加の一途をたどっています。
人間関係、学習への不安、緊張、いじめ、集団行動への不適応、起立性調節障害、睡眠障害、発達の課題、家庭の問題などその背景は様々です。
私の21年間の教員経験の中で、ここ数年は、
担任していた学級に、3~4人は不登校の生徒がいました。
学校全体を合わせると、かなりの人数に上ります。
杉並区の調査によると、わかっているだけでも
中学生全体の約7%が不登校になっているのが現状です。
勉強が遅れていく不安、将来や進路への不安、取り残されていく不安。
何もしていない自分を責めたり、憤ったり、落ち込んだり、諦めたり。
自分を変えたいけど、でも変えられない葛藤。
学校に通っていない子どもたちは、多くの不安を抱えています。
2. フリースクールという選択
いったん学校に行かなくなると、なかなか身動きが取れません。
多くの場合は何も対応されないまま、学校とのつながりが途切れ、卒業まで何の支援も受けられない…。
そんなケースをたくさん見てきました。
もっと学校とつながっていられて、でも学校ではない場所が作れないだろうか
もっと気楽に、制服を着ないで行ける、ほっと落ち着く居場所を作れないだろうか
不登校でも人と関わりながら、学び合い成長していける場所を作れないだろうか
そんな思いからできたのが、学校と子どもをつなぐ、中継地点のようなフリースクールです。
3. Mスクールのフリースクール
Mスクールは、自分に必要なことを自分で選び、自分の好きを大切にする場所です。
自分で決めた自由の中で、好きな時間の、好きな授業を選択します。
<探究学習><コミュニケーション><総合学習>の3つの柱からなっています。
(1)探究学習
自分の興味のある事柄の中から、好きなことをとことん探究する講座です。
自分で問いを立て課題を設定し、自分で考え、調べ、探究したことを自分なりの方法で表現する力を身につけます。
教材は何でもOK。世の中にあるすべてのものが教材です。
もちろん本や教科書を使ってもOk。
学び方も学ぶ方法も自分で決めます。一人で学んでも、誰かと一緒に学んでもOK。
好きなことをとことん探究する力は、社会に出た時に大きく活きるてくる力です。
そして、Mスクール最大の強みが、学校とのつながりが深いこと。
Mスクールで学習したことは、各学校に持っていき、評価の対象にしてもらいます。
学校との連携を密にして、一人一人が望む形での支援を行います。
<講座例>
- 探究学習(各教科・総合)
- 学校授業サポート
(2)コミュニケーション
コミュニケーションスキルを身につけるための講座です。
コミュニケーションとは、人と人とがお互いの考えや感情を伝え合う意思疎通のこと。
上手なコミュニケーションを身につけるためには、話し方や聞き方のコツを知り、実際に使ってみることが大切です。
ゲームやロールプレイ、ソーシャルスキルトレーニング、エンカウンターなどの手法を通して、
楽しみながらコミュニケーションスキルを身につけていきます。
<講座例>
- ソーシャルスキルトレーニング
- エンカウンター
- みんなで遊ぼう(各種ゲーム類で遊ぶ)
- ロールプレイ
(3)総合学習
Mスクールの行事やイベントの企画と実施に向けた話し合いを行ったり、
進路に向けた学習をしたりする講座で、
学校の総合的な学習の時間にあたるような講座です。
行事やイベントは、生徒同士が話し合って企画から実施まで行います。
どんなイベントをするのか、どんな行事を行うのか、行く場所や内容、費用交通経路など、
自分たちで話し合いながら決めていきます。
また、田植え体験や、高尾山登山も希望者を募って実施します。
進路学習では、様々な職業の方を招いてお話を伺ったり、職場体験に行ったり、
将来について広い視野をもち、自分の進路を考えていきます。
その他、専門家を招いた保護者向けの講演会も実施予定です。
<講演予定の内容>
- 食事と栄養と睡眠
- 思春期の心と体
- 発達の課題と進路
など